離職する心理が見えない。採用を強化したい。そんな方はご覧ください
「また一人、優秀な人材が辞めてしまった…」
このため息をついたことはありませんか?人材の入れ替わりは、チームの雰囲気を変え、残された仲間たちの肩に余計な負担をかけ、そして何より、一緒に築いてきた関係性や信頼が途切れてしまいます。
日本の職場では、特に若い世代の早期離職が珍しくありません。でも、この離職防止問題には実は思いがけない解決の糸口があるんです。それが「感情知能(EQ)」という、私たちの中に眠る大切な力なのです。
感情知能(EQ)って、どんな力?
EQとは、シンプルにいうと「感情のマネジメント能力」、少し難しく言うと「感情を知性的に扱う能力」です。でも実は、私たちが日々の生活で自然と使っている力でもあります。
例えば:
- 朝、同僚の表情から「今日は何か悩みがありそうだな」と気づける力
- イライラしていても、大切な会議では冷静さを保てる力
- チームメンバーが何を言わずとも感じていることを察する力
- 意見が対立しても、お互いを尊重した解決法を見つけられる力
これらは全て、EQが支えている日常の小さな奇跡なのです。
EQは大きく4つの要素から成り立っています:
- 自分の心を知る力(自己認識):自分の感情や反応パターンを理解すること
- 自分の心を整える力(自己管理):感情をバランスよく管理すること
- 相手の心を感じる力(共感力):他者の感情や立場を理解すること
- 人との絆を育む力(社会性):良好な関係を築き、維持すること
これらの力は、生まれつきのものではなく、意識して育てることができる素晴らしい能力なのです。
EQと離職率の関係:「人は仕事を辞めるのではなく、上司を辞める」
「人は仕事を辞めるのではなく、上司を辞める」という言葉をご存知でしょうか?
実は、様々な調査がこの言葉の真実性を裏付けています。職場を去る主な理由として、給与や業務内容よりも「人間関係」が上位に挙げられることが多いのです。
- あるグローバル調査では、高いEQを持つリーダーがいるチームは、従業員満足度が67%高く、離職率が21%低いことが分かっています
- 日本の調査でも、「上司との相性」や「職場の人間関係」が退職理由のトップ3に入ることが珍しくありません
これは何を意味するのでしょうか?私たちは単に「仕事」だけをしているのではなく、「人」と共に働いているということです。そして、その「人」との関係の質を決めるのが、実はEQなのです。つまり、離職防止にはEQを向上することが必要不可欠になってくるのです。
1年で大量に営業マンの離職を生んだ、とある会社の上司の実話
最近、ある知人から聞いた話です。とある企業のある部署では、驚くほど多くの社員が短期間で退職していったそうです。理由を聞くと、そこには感情知能(EQ)の欠如が生み出す、冷たい職場の現実がありました。
「会議の前に上司がメンバーを見渡して『はぁ、このメンバーか。モチベーション下がるわ。話さんとこかな』と、人前で平然と言う」
「ノルマを120%達成しても、単に『ぱちぱち』と形だけの拍手をするだけで、本当の意味での評価や感謝の言葉はない」
「社内の会話の大半が、不在の同僚や他部署の悪口で埋め尽くされている」
上司が交代し、新しい風を吹き込もうとしたものの、すでに組織の中が感情的に腐ってしまっていたため、離職は止まらなかったといいます。驚くべきことに、退職者の8割以上が「上司のパワハラ」を理由に挙げていたそうです。
これは極端な例に聞こえるかもしれませんが、程度の差こそあれ、似たような状況は多くの職場に存在します。そして、これらの問題の根底にあるのは、まさにEQの不足なのです。
- 他者の感情に鈍感な上司(社会的認識の欠如)
- 本当の成果を認めない評価文化(関係管理の不足)
- 否定的なコミュニケーションが蔓延する環境(自己管理の問題)
- 感情の悪循環を断ち切れない組織(全てのEQ要素の低下)
このような職場では、どれだけ給与が高くても、どれだけ福利厚生が充実していても、人は心から働くことができません。そして、優秀な人材から順に、静かに、しかし確実に去っていくのです。
では、あなたの職場はどうでしょうか?もしくは、あなたが目指す職場はどんな姿ですか?
この職場でEQを活用したら…:対照的な二つの世界
先ほどの例とは対照的に、EQを大切にする組織ではどのような風景が広がるでしょうか。
会議では: 「今日は皆さんの意見を聞きたいと思います。特に新しい視点を持っている○○さん、ぜひ考えを聞かせてください」
目標達成時には: 「120%達成おめでとう!特に○○の部分では、あなたの○○というアプローチが効果的でした。チーム全体にとっても大きな学びになります」
日常の会話では: 「あの部署は大変そうだね。何か私たちにできるサポートはないかな?」
これは理想論ではありません。実際にEQを重視する企業では、このような対話が日常的に交わされ、お互いを尊重し合う文化が根付いています。その結果、離職防止につながり、自然と人材の定着率も高まり、創造性も発揮されるのです。
EQの高い職場と低い職場—どちらで働きたいかは、言うまでもないでしょう。そして、どちらの職場を作りたいかも。
EQが生み出す、想いやりある活発な職場の風景
EQが高まった職場では、どんな変化が生まれるのでしょうか?
お互いを理解し合える対話が増える
「言いたいことが伝わらない」というストレスが減り、お互いの考えや気持ちを尊重した会話が自然と増えていきます。朝のあいさつも、形だけのものから、本当の意味での「調子はどう?」に変わります。
困った時に助け合える安心感が生まれる
ミスをしても責められる心配がなく、むしろ「大丈夫?何かできることある?」と声をかけてもらえる。そんな安心感は、チーム全体の創造性と挑戦する勇気を育みます。心理的安全性とも呼ばれ、離職防止に大きく関わっている組織の性質を生み出すことができます。
疲れていても笑顔になれる瞬間が増える
業務の忙しさは変わらなくても、ちょっとした気遣いや感謝の言葉が行き交う職場では、心の余裕が生まれます。その余裕が、苦しい時も踏ん張れる力になるのです。これも離職防止につながります。
一人ひとりの個性が輝き始める
EQの高い環境では、「みんな同じであるべき」という圧力がなくなります。それぞれの持ち味や強みが認められ、活かされることで、組織全体の力も大きく成長します。そして自分の仕事へのエンゲージメントやモチベーションが高まり、離職防止へと繋がっていくのです。
職場のEQを高める、小さな一歩
EQを高める方法は、実は身近なところにあります。
まずは、自分自身を知ることから
毎日少しだけ、自分の感情や反応を振り返る時間を持ちませんか?「今日はなぜイライラしたのだろう?」「あの場面で喜びを感じたのはなぜ?」といった内省が、自己理解の第一歩です。
相手の立場で考える習慣を育てる
会議や打ち合わせの前に、「相手は何を考え、何を感じているだろう?」と想像してみましょう。この小さな心がけが、コミュニケーションの質を大きく変えます。
感謝の言葉を意識的に伝える
「ありがとう」という言葉には、思っている以上の力があります。感謝を口に出すことで、相手も自分も前向きな気持ちになれるのです。
安心して話せる場を作る
「正解」を求めるのではなく、様々な意見や感情を大切にする対話の場を意識的に作りましょう。そこから生まれるアイデアや絆は、組織の大きな財産になります。
Edumuseと共に歩む、離職防止へのEQの旅
冒頭でお伝えした「離職が止まらない職場」の例は、極端に聞こえるかもしれません。でも、多くの組織は気づかないうちに、そんな方向へ少しずつ進んでいるかもしれません。
大切なのは、「今、私たちはどこにいるのか」を知り、「どこへ行きたいのか」を明確にすることです。そして、その旅に信頼できる道案内があれば、道のりはずっと安心したものになります。
EDUMUSEでは、単なる研修プログラムを提供するのではなく、あなたと組織の状況に寄り添いながら、EQを育む文化づくりをサポートしています。専門的な知識と温かい人間性を持ったファシリテーターが、一人ひとりの感情知能を大切に引き出していきます。
「もう少し優しい言葉が飛び交う職場にしたい」 「部下との関わり方に悩んでいる」 「離職防止し、定着率を高めたい」 「なんとなく職場の雰囲気が重い」
どんな小さな気づきや願いでも、変化の第一歩になります。EDUMUSEは、そんなあなたの一歩に、そっと寄り添いたいと思っています。
EDUMUSEのEQサービスのページで
・感情のコントロール研修
・EQ型リーダーシップ研修
いずれかを受講いただきますと、このような職場を回避できた事例がありました。
また、弊社代表の岡村はこの理論を活用し、「退職率を減少させ、アルバイトを5人から15人の組織へ拡大した」という経歴があります。
ぜひお気軽にお問い合わせください。